マダラヤンマ Aeshna soneharai

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マダラヤンマ Aeshna  soneharai Asahina, 1988

体長:61㎜~71㎜内外

成虫出現時期:7月上旬~11月上旬(8月中旬~10月中旬に数が多い)

分布:北海道、青森、秋田、岩手、宮城、福島、群馬、栃木、茨城、山梨、長野、新潟、富山、石川、福井で確認されており埼玉、東京、千葉、愛知、京都でも記録がある。

生息環境:平地から山地の抽水植物が繁茂した池沼、湿地、水路、河川、河川敷、水田、水域付近の路上・空き地

備考:青森県では本来の生息地から離れた低山地沿いの休耕田や水田が広がる場所で摂食飛翔する個体を採集したことがあり、住宅街を流れる葦やガマが生える細い河川での縄張り飛翔や摂食飛翔も目撃している。

生殖活動時間は午前中と15時半くらいから17時半くらいまで。夏の暑い時期は日の出時刻から活発。縄張りを持つ♂は日中の飛ばない時間帯は葦やガマに静止していることが多い。

成熟♂のパトロール飛翔は抽水植物の根際を丹念に見て回ったり、湿地の開放水面の上をホバリングを交えて飛翔したりする。抽水植物を掻き分けると時折産卵中の♀や交尾態が飛び出してくるのを観察できる。♀を見つけた♂は即座に追尾して連結態となり交尾に至る。交尾は水域の抽水植物などの低い位置に止まって行われる。♀は抽水植物の群落に潜地込み水面付近にある枯れた植物組織内に産卵する。

黄昏飛翔性があり摂食飛翔は夕方が多いが、日中にも行うことがある。♀は午前中の産卵後には水域やその周辺の上空を緩やかに飛んで移動しながら摂食飛翔する他、夕方の産卵後には水域周辺の林縁に移動して樹木の周りを出入りしながら摂食飛翔する。

元々寒冷地を好む本種は、関東地方では個体数があまり多くないようだが、北に行けば沢山おり、珍しいトンボではない。

本種の♀には黄色から青色まで色彩変異があるが、南に行くにつれ青色型の割合が多くなる。

移動性があり、本来生息しない場所に出没することがある。

成熟前の個体は生息地の水辺から約10kmほど離れた谷津田で日没後と日の出前に稲穂や地面スレスレを飛翔するのを確認している。

ルリボシヤンマの仲間の識別

 

♂成熟 青森県 2024年8月

 

♂成熟 青森県 2024年8月

 

♂やや老熟 青森県 2024年9月

 

♂老熟(腹部斑紋発達型)青森県 2023年10月

 

♂半成熟(黒化型) 青森県 2023年8月21日

 

♀老熟 青森県 2024年10月

 

♀老熟 青森県 2019年10月

 

♀成熟 青森県 2018年9月

 

♀成熟 青森県 2018年9月

 

♀成熟 青森県 2017年9月

 

♀成熟(腹部黄斑消失型)青森県 2023年9月

 

♀成熟 青森県 2023年9月

 

♀成熟 青森県 2022年8月

 

♀成熟 茨城県 2014年10月10日

 

♂成熟 青森県 2024年9月

 

マダラヤンマの動画(筆者撮影)↓